年度経営計画

平成30年度年度経営計画 [平成30年4月27日公表]

1.業務環境

  • (1)経済動向
    • 北海道地域の景気は緩やかに回復している。
      需要項目をみると、公共投資は、既発注分を含めた公共工事が増加しており高水準で推移している。輸出は緩やかに持ち直している。
      設備投資は、製造業を中心に前年を大幅に上回る計画から増加している。個人消費は、このところ一部に弱めの動きがみられているものの、基調としては回復している。
      観光は、国内外の需要を背景に好調に推移している。住宅投資は、金融環境変化に伴う投資マインドの後退などにより緩やかに減少している。
      生産は、主要業種別で持ち直しの動きがある一方で、弱めの動きもあることから横ばい圏内の動きとなっている。雇用・所得情勢をみると、労働需給は引き締まっており、雇用者所得は回復している。
  • (2)中小企業を取り巻く環境
    • 景気全体としては緩やかに回復しているものの、中小企業・小規模事業者の景況感は規模・業種・地域等によって異なっており、人口減少や少子高齢化に起因する地域経済の縮小、人手・人材不足の顕在化、事業承継の困難化など先行きの需要増加を見込めない中での経営環境には、依然として不透明感が拭いきれない。

2.業務運営方針

これらの業務環境を踏まえ、中小企業政策における社会的役割を自覚し、信用保証制度が、中小企業・小規模事業者の事業の発展を支えるものとなるよう、以下の内容を基本方針として取り組む。

また、多様化する中小企業・小規模事業者のニーズに迅速かつ適切に対応するため、信用保証制度の見直しを踏まえ、将来の展望を見据えた業務運営に努める。

  • (1)政策保証の推進
    • 中小企業・小規模事業者のライフステージの局面に応じ、経営支援の実施とあわせ、国および地方公共団体の施策に呼応し、国の各種政策保証、地方公共団体と連携した制度保証を適切に推進する。
  • (2)金融機関との適切なリスク分担の推進
    • 中小企業・小規模事業者の経営改善・生産性向上に向け、金融機関との適切なリスク分担を推進するとともに、事業性を評価した適切な保証審査に努める。
  • (3)保証業務の充実
    • 中小企業・小規模事業者の多様なニーズに積極的かつ的確に応えるとともに、利用者へのきめ細かい対応によってサービスの向上に努め、保証業務の充実を図る。
  • (4)創業支援の充実
    • 創業者に対する相談・支援体制を強化するとともに、創業前段階の支援や創業後のフォローアップ支援を行う。
  • (5)事業承継円滑化の取り組み
    • 中小企業・小規模事業者のライフステージにおける重要な節目である事業承継に関して、地域経済の活力維持や雇用の確保を図るため、各種の保証制度を推進し、事業承継の円滑化を図る。
  • (6)関係機関との連携強化
    • 金融機関・関係機関との連携を強化し、地域の課題およびニーズを把握するとともに、「北海道中小企業支援ネットワーク」の事務局として、構成機関との連携を促進し、地域全体の経営改善・再生スキルの向上を図る。
      また、政府系金融機関・経営支援の専門機関との業務連携によって、資金調達の多様化、経営支援の質の向上に努める。
  • (7)地方創生への貢献
    • 地域の課題を踏まえて、各種保証制度を推進するとともに、地域における創業セミナーの実施や地域再生ファンドへの出資等によって、地方創生への貢献を果たす。
  • (8)経営支援・事業再生の推進
    • 金融機関・関係機関と連携したモニタリングや「経営サポート会議」および専門家を活用した中小企業・小規模事業者への改善計画策定支援などにより経営支援・事業再生の推進に努める。
  • (9)求償権回収の効率化・最大化
    • 求償権の早期着手、適切かつ効果的な回収方針の決定および関係部署との連携強化を図り、個々の求償権の実情を把握し、効率性を重視した管理・回収に努める。

3.重点課題

  • 【保証部門】
  • (1)政策保証の推進
    • 中小企業・小規模事業者のライフステージの局面に応じて、経営支援の実施とあわせ、中小企業・小規模事業者の多様な資金需要に応えるため、金融機関と連携のうえ、国の各種政策保証の適切な推進はもとより、地方公共団体と連携した制度保証を推進する。
  • (2)金融機関との適切なリスク分担の推進
    • ①金融機関とのリスク分担の状況を把握する。
    • ②金融機関とのリスク分担に関する認識の共有を図るため、意見交換会や勉強会、一日研修会等を実施する。
    • ③金融機関とのリスク分担に関する方針、現況に関する認識の共有を図るため、内部研修や現業指導を実施する。
    • ④当協会独自制度「スクラム3000」を推進し、金融機関との適切なリスク分担を図る。
    • ⑤個別の企業者に対する金融機関の支援方針を把握し、共同システム利用による情報の蓄積を行う。
  • (3)保証業務の充実
    • ①CRDおよび審査支援システムの活用により、審査の効率化・迅速化に努め、金融機関との情報の共有化を推進し、事前相談・照会に適切に対応する。
    • ②中小企業・小規模事業者の資金繰りの安定および改善を図るため、経常運転資金の一部を一定期間継続して支援する短期継続保証制度を創設する。
    • ③経営者保証ガイドラインに基づき、金融機関と連携のうえ、経営者保証に拠らない保証取扱について適切に対応する。
    • ④本店に設けている「夜間経営相談窓口」「専用ダイヤル」に加え、資金調達に不安を抱える中小企業・小規模事業者に対して新たに「金融機関紹介窓口」を設置し、中小企業支援機関との連絡体制を充実させ、迅速、丁寧に対応する。
    • ⑤保証利用企業者の多様なニーズを把握するため、企業者訪問等を実施する。
  • (4)創業支援の充実
    • ①本・支店における相談窓口を充実し、創業準備段階から相談・支援体制を強化する。
    • ②創業時および創業間もない企業への保証については、積極的かつ弾力的に取り組み、事業が軌道に乗るまでの間はモニタリングの実施により、フォローアップ支援を行う。
  • (5)事業承継円滑化の取り組み
    • 事業承継の円滑化を図るため本店の「事業承継サポートデスク」の機能を強化するとともに、新たに創設される特定経営承継関連保証や事業承継サポート保証の利用を促進する。
  • (6)関係機関との連携強化
    • 北海道、市町村、商工会議所、商工会、中小企業団体等との連携を密にし、中小企業・小規模事業者の実態や資金ニーズおよび地域の課題を把握することに努める。
  • (7)地方創生への貢献
    • ①「北海道小規模企業振興条例」に呼応し、北海道の「中小企業総合振興資金」のうち、「小規模企業貸付」に対する信用保証料率の割引を継続する。
    • ②全国健康保険協会北海道支部との提携による、従業員の健康増進に積極的に取り組む「健康事業所」を宣言した中小企業・小規模事業者に対する保証制度「すこやか北海道」を継続し、あわせて信用保証料率の割引を継続する。
    • ③中小企業・小規模事業者の災害時の危機管理能力を高めるため、事業継続計画(BCP)の策定向上に向けた支援策の検討を進める。
  • 【経営支援・期中管理部門】
  • (1)経営支援・事業再生の推進
    • ①中小企業診断士職員を関係機関の経営金融相談室に派遣するほか、本・支店における相談窓口を充実し、経営支援等の相談に適切に対応する。
    • ②「経営サポート会議」の開催により関係者が迅速に意見交換を行い、中小企業・小規模事業者の調整負担を軽減して、経営改善・事業再生の促進を図る。
    • ③専門家(税理士・公認会計士・中小企業診断士等)による診断・助言が必要な中小企業・小規模事業者には、必要とされる専門家を当協会が派遣し、事業の維持、発展を図る。
    • ④「経営改善支援事業」による事業者訪問を実施し、外部専門家の派遣、経営診断および経営改善計画策定支援等を行うことで、中小企業・小規模事業者の経営改善支援に努める。
    • ⑤返済緩和を繰り返すなど経営の安定に支障が生じている中小企業・小規模事業者に対しては、経営改善計画の進捗状況等をフォローのうえ、金融機関と連携し正常化に向けた経営改善を促す。
    • ⑥再生局面にある中小企業・小規模事業者に対しては、中小企業再生支援協議会等と連携し、積極的に再生支援に取り組む。また、再生支援を行った中小企業・小規模事業者に対しては金融機関と連携し、モニタリングの実施によりフォローアップ支援等を行う。
    • ⑦事業の先行きの見通しが立たず、経営者自身が廃業を望む場合には、円滑な撤退に向け適切に支援する。また、保証債務の整理にあたっては、必要に応じて経営者保証ガイドラインの適切な運用に努める。
    • ⑧代位弁済後も事業を継続し、誠実に返済を進める中小企業・小規模事業者には経営者の再チャレンジの観点から、経営サポート会議の開催等により求償権消滅保証の検討を進める。
  • (2)関係機関との連携強化
    • ①「北海道中小企業支援ネットワーク」の事務局として、定期的な会議の開催や構成機関の連携促進に努め、地域全体の経営改善・再生スキルの向上を図る。
    • ②政府系金融機関や経営支援に関わる専門機関との連携を図り、資金調達の多様化や経営支援の質の向上に努める。
  • (3)地方創生への貢献
    • ①地域の創業を促進する取り組み
      創業者向けセミナーの他、学生向けセミナーを実施するとともに、情報誌やSNSを活用した情報発信を行い、地域における創業を促進する環境整備に努める。
    • ②地域再生ファンドへの出資
      北海道オールスターワン投資事業有限責任組合への出資継続および後発ファンドへの出資の取り組みを検討する。
  • (4)海外展開支援の取り組み
    • 海外展開を目指す道内の中小企業・小規模事業者を後押しすべく、本店の「海外展開サポートデスク」の機能を強化し、関係機関と連携のうえ、相談体制の充実を図る。
  • 【回収部門】
  • (1)求償権回収の効率化・最大化
    • ①新規求償権に対する早期着手
      期中支援部署や金融機関との連携により、新規求償権先の関係者現況や所有不動産の早期把握に努め、適切かつ効果的な回収方針を決定し、着手する。
    • ②効率的・効果的な回収の促進
      個々の求償権の実情を把握し、効率的な回収に努める。また、必要に応じて迅速かつ効果的な法的措置を講じることにより回収の促進を図る。
  • 4.事業計画

    平成30年度の主要計画数値は以下のとおりです。

    項目 金額
    保証承諾 2,900億円
    保証債務残高 6,608億円
    保証債務平均残高 6,879億円
    代位弁済 90億円
    回収 27億円